私たちは歴史の大きな渦の中にいます

世界を見まわして下さい。いま、こうしている間にも多くの争いが行われ多数の人が亡くなっています。力と力がぶつかりあい、あたかも歴史が逆回転したかのような印象さえあります。また、身近を見れば「親ガチャ」などという言葉に象徴されるように、貧富の差が拡大・固定し、将来に希望が持てない若者が増えています。

何故この様な世界になってしまったのでしょうか？ 世界がまだ狭かった時代、人々は大洋へ乗り出し、未開の地を開拓しました。また産業革命に代表される技術革新は多くの富を生み出しました。富の増大は貧富の差はあれ、誰もが豊かになれるという夢がありました。いま、世界に未開の地はほとんど残されていません。産み出す富にも限界があります。現代は限りある富を誰が享受するかというゼロサムゲームになっています。一部の富める人たちによる富の寡占が進み、多くの貧しい人たちはいよいよ貧しなっているのが現状です。もし、富を得ようとするならば熾烈な競争に打ち勝ち、他者を蹴落とすかありません。

これが非常に単純化した世界の歴史と現状です。これから、どうなるのでしょうか？

現状が過去数百年に渡る人類の生き方の結果であるならば、私たちは新しい生き方を模索、確立するしかありません。私たちは今、歴史の大きな転換点の只中に生きているのです。

次の時代を創り出す理念が突然現れるとは思えません。今が歴史の転換点であるなら、その萌芽は必ず私たちの中に生まれているはずです。ところで、上記の歴史は欧米諸国から見た歴史です。世界を支配している人たちが作り出した世界です。日本では、2014年に最初の「子ども食堂」が生まれたと言われています。その後約10年で1万軒を超えました。日本人の持つ「思いやる、助け合う」心の現れです。

日本人が文化として持っているものです。これこそが次の時代の基礎となる生き方ではないでしょうか？

あなたが、人々の幸せを願い行動する時、あなたは歴史を次の時代へと推し進めているのです。やり方や、場所、グループはそれぞれ異なるでしょうが皆、歴史の大きな渦の一部です。

歴史の転換とは、物事の見え方が変わることです。見え方が変われば対応が変わる、不可能に思えたことが可能になります。

かつて、大地が平面であった時代、ヨーロッパからインドへ行くには東へ向かうしかなかった。大地が丸くなったことで、西へ向かってもインドへ行けるようになりました。現代でも、植物は立っているだけと思われていたのが、最近の研究では情報交換していることが明らかになりつつあります。世界の見え方は急速に変わっています。希望ある未来は必ず実現出来ます。

争い、奪い合う時代は終えようとしています。

これからは、「思いやる、助け合う、 繋がる」時代です。（星野光平・著）